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看護師から食品バイヤーへ
 「おいしいもの、届けます!」のタイトルに惹かれて、図書館から借りてきた。

 今でこそ、「お取り寄せ」が大流行だが、著者がこの仕事を始めた頃は「通信販売イコールうさんくさいだったそう。そんな時代に、大手のセキュリティ会社であるセコムが自社のコンセプトである「人々の生活全般の安心と安全を提供する」に従って、おいしくて安全な食べ物のカタログ販売を開始する。

 同じセコムの医療部門で看護師をしていた著者は食べ物に関してのコラムを書いていたが、それを目にした上司にこの部門へと引っ張られる。

 「どうして、どうして私が?何をどうすればいいの?最初は誰かが教えてくれるのでしょ?」といくつもの疑問符とともにわけもわからず仕事を始める著者。が、上司は至ってあっさりと、「おいしいもの、添加物が入っていないもの、自然な味のもの、そしてどこででも簡単には手に入らないものをさがしてくれればいい。あとはまかせるから」と丸投げ。

 デパ地下はもちろん、ありとあらゆるところでおいしそうなものを試食しては、取り扱うことができそうな品をさがす。目星をつけたら、生産の現場を確認に出かける。
 
 「が、まかせるよ、がんばって」という調子だから、生産者への初めての取材ももちろん一人で行う。

 どんなことだって、初めてすることは簡単にいい調子ではできない。初めての土地で、生産者からもらった手書きの地図を頼りに、レンタカーを走らせるのも、容易ではないことがしばしばだ。走り慣れている地元の人にとっては、「5分」でも初めての人は「10分」だったりもする。

 凍てつく海で漁船に揺られたりなどなど、たくさんの苦労の果てにすばらしいカタログが作られていることがよくわかる。

 著者のおいしいものに出会いたい、それをたくさんの人に届けたいという思いと、すばらしい生産者に出会った感動とそれを多くの人に伝えたいという思いがぎゅっと詰まっていて、一気に読んでしまった。
author:けい, category:, 19:10
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